【英語を学ぶ理由】が教育現場で問われている!?
「英語を子供に学ばせたい」と望む親御さんは多くいます。小さなお子さんが英語を学ぶ理由は、オンライン英会話などで英語に親しむだけでも十分です。しかし、お子さんが大きくなるにつれて英語を学ぶ理由が個々に変わってきます。
「将来のため」なら、「仕事のため」なのか「海外移住するため」なのかでも必要な英語力は大きく違ってきます。
政府の英語教育方針に対する批判も、「必要な英語力」に対する考え方の違いが根底にあります。
政府は学校教育で子供に「使える英語」を身につけさせたい!
高校までの英語教育は、大きく「コミュニケーション重視」と「文法重視」の二つに分けられます。
読む、書く、聞く、話すことをバランスよく学ぶことで、最終的にコミュニケーション能力を伸ばすことを政府は学校教育の大きな目的としています。
これはグローバル化に対応するために、中学校の英語授業を英語のみで実施する、小学校高学年の授業に英語を取り入れるといった英語の教育改革に表れています。
このような授業を通して政府は「使える英語」を子供に身につけさせようとしています。
グローバル化していく社会を考えた時、政府の考えは間違っていないと感じますよね。
しかしこういった改革に批判的な立場をとる英語教育関係者らは、まずは英語の文法を中心に教えるべきだと主張しています。
学校教育で高度な英語力は身につかない、という英語教育関係者
英語教育の専門家である斎藤兆史東京大学教授は著書の中で「学校教育で高度な英語の運用能力など身に付くものではない」と伝えています。
英語は日本語と構造が異なる言語のため、日本人にとって英語を習得することはとても難しいことです。それを週数時間の勉強だけで、子供たちが実践的な英語の運用能力を身につけるのは、とうてい不可能に近い、というのが政府に批判的な立場をとる一部の英語教育関係者の本音です。
これに対し政府は可能だという立場をとっています。
どのような英語力や英会話力を求めるか
このような議論は「どの程度の英語力を必要とするか」という考えの違いが背景にあります。
「意思疎通が可能な程度の英会話力」を身につけたいのか、「ビジネスなどで通用するレベルの英会話力に必要な、基礎の文法を学ぶべき」なのか…。
これは子供が将来どのように働くか、どのように生きていくかということに大きく関わります。
充実した英語教育が評判の多摩大学目黒中学校・高等学校(東京都目黒区)の田村嘉浩校長は「世界で活躍するなら小学生レベルの会話をしているだけでは仕方ない」と言います。
世界で活躍するには、まず日本のことを聞かれた時にきちんと答えられないといけません。答えられないと話す価値のある人として扱ってもらえないのです。
自分のお子さんには、どのような将来を歩んでほしいと願いますか。オンライン英会話などで英会話力を高めつつ、それと同時にお子さんの関心事にも目を向けることが大切です。
お子さんの将来の夢によって、必要とされる英会話力は大きく変わります。お子さんが夢を叶えるために必要な英会話力がどのレベルなのか、といったことを漠然でもいいので意識するようにしましょう。
さらにお子さんの英語学習指針を学校の先生や、子供の英会話学校の先生などとサポートしてあげることで、お子さんが将来に必要な英会話力を身につけることに繋がります。