4技能英語で日本の英語教育はどう変わるのか?
学校の英語テストでは高得点を取れる、という人は少なくありません。しかし、その中のいったい何人が「実際に英語を話せる」のでしょうか。
より実践的な英語力を身につけるため、今、日本の英語教育が変わろうとしています。日本の学校でも2018年から取り入れられる「4技能」英語についてご紹介します。
読む・聞くだけでは足りない
日本の学校では今まで、英語を「読む」勉強と「聞く」勉強に力を注いでいました。これにより英語を受信する力は身についたのですが、英語を「書く」「話す」といった、発信する力はなかなか定着しませんでした。
これが海外から「日本人は英語が苦手だ」と評価される理由だ、と多くの人が指摘しています。
例えば、学校の授業を思い出してみましょう。
教科書にある新出単語と本文を読み、それを翻訳していくという授業が中心だったかと思います。
また、英語を「書く」時間もありましたが、そのほとんどは、単語や教科書の本文に対する質問の解答という傾向でした。
学校の授業で増える「書く」「話す」時間
では、学校の授業はどのように変化していくのでしょうか。
まず授業で使われる英文に対する「英問英答」の時間が設けられます。続いて英問英答を利用して、本文の「要約作成」の問題に取り組みます。
さらには本文の「感想作成」に取り組み、自分で書いた感想を二人一組になってお互いに発表します。そして他の生徒の前でも発表し、その感想を聞いた生徒達がそれを書き取ります。
このように、これからの英語の授業では「英語で自分の意思を発信する」という時間が多くなるのです。
2020年までに変わる日本の英語教育
文部科学省は2014年から、2020年の東京オリンピックを目標に、日本の英語教育の大幅な改革を行おうとしています。受信型授業から4技能習得型の授業へのシフトも、その一環です。
「あなたはふだん、学校の英語の授業のためにどのような勉強をしていますか」というアンケートに対し「英語で意見や感想を書く」と答えたのは、中高生ともに5%以下でした。
しかし今、授業で「英語で意見や感想を書く」機会を増やそうとする学校が現れ始めました。大学入試でも4技能を中心としたテスト内容を採用し始めた学校が徐々に増え、「4技能」の能力を測る検定試験もできました。
10年後、20年後。新たな英語の授業を受けた子ども達が、世界中で活躍するようになるかもしれません。