公用語は英語! フィリピンの英語学習事情
日本から飛行機でおよそ4時間半。フィリピンはおよそ50年間、アメリカの植民地でした。そのこともあって、いまやアジアの中でも5本の指に入る英語教育の先進国です。
フィリピンの英語教育からは、私達日本人は多くのことを学べます。今回はフィリピンの英語教育の現状をご紹介します。
フィリピンの英語事情
フィリピンの母国語はフィリピノ語です。しかし、フィリピンが何千という島とさまざまな民族が集まってできている国であることから、現地語は何十種類も存在します。そんな中、それらの言葉の橋渡しとして使われているのが英語なのです。
国の司法機関や行政機関などでも使われているのは英語です。ニュースなども英語で流れるものとフィリピノ語などで流れるものがあります。
また、フィリピン政府は国民に国外での出稼ぎを奨励しており、多くのフィリピン人が国外へと出ています。中でもアメリカ・イギリス・カナダといった英語圏の国が人気です。英語圏で働く以上は、英語力は必須になります。この出稼ぎ労働者によるフィリピンへの送付金は、国民総生産(GDP)の約1割以上を支えています。
そのような事情からも、フィリピン人の多くは英語に触れる機会と英語を勉強する必要性が日本人以上にあるのです。
フィリピンの英語教育
フィリピンでは小中高と6・4・2年生で、新学期は6月から始まります。
フィリピンでは公立の場合、小学校1年生から英語の授業が始まります。それも、毎日必ず1時間はあるのです。そして小学校2年生までは現地語で授業を行いますが、3年生からは段階的に国語であるフィリピノ語と英語を取り入れはじめます。
フィリピンの公立小学校の1年生は、年度末には日本の中高生以上の英語力を持っていると言われています。
また、私立の小学校になると英語教育への取り組み方はさらに熱心です。なんと小学校1年生から、国語と社会を除く全ての授業は英語で行われています。
日本よりも圧倒的に長い教育時間
日本の中学校では英語の授業が年間140回あります。一回の授業が45分。年間およそ105時間です。フィリピンの1年生が半年以内で終える勉強時間を、日本では中学校の1年間をかけて勉強していると言えます。
フィリピンの英語教育から見えてくる、日本の英語教育に足りないものはこの勉強時間だということが分かります。また、英語教育を開始する時期が小学校1年生と早いことも注目すべきでしょう。
日本の英語教育も2020年を目標に大きく変わろうとしています。しかし、フィリピンのように小学校1年生の頃から毎日1時間の英語の授業を取り入れるにはまだ時間がかかりそうです。
それを補うために、各ご家庭で毎日1時間ほどの英語教育の時間を準備してみてはいかがでしょうか。