赤ちゃんは「コミュニケーション」から言葉を覚える?
皆さんはご自身が最初に口にした言葉がなにか、ご両親から聞いたことがありますか? もしくは皆さんのお子さんが最初に口にした言葉はなんだったでしょうか。
始めは不明瞭な喃語(なんご)を話す赤ちゃんですが、次第に言葉が明瞭になっていきます。また、言葉を発するだけではなく、1歳頃から自身の名前を名前を認識して、呼びかければ反応を示すようにもなります。
赤ちゃんは一体どのように言葉を覚えていくのでしょう。赤ちゃんが言葉を覚えていくプロセスから、英語学習のヒントを探ります。
赤ちゃんはお母さんの言葉を吸収する
赤ちゃんが言葉を話せるようになるのは、それまでにお母さんを始めとした大人たちの会話を聞いているからです。大人たちの会話・言葉というインプットがあって、赤ちゃんの脳は得た情報を整理・統計し、自分の中に蓄えていきます。
赤ちゃんの脳はスポンジのように次々と情報を吸収し、もっとも吸収力が高い状態は7歳ごろまで続くと言われいます。
赤ちゃんの言語習得に向いている期間の限界を臨界期と呼び、臨界期を越えると新しい言語の習得は困難と言われています。しかしこの臨界期がいつまでかというのは諸説あり、思春期(およそ17歳ごろ)まで続くという意見が根強いそうです。一般的に、7歳までに吸収した言語は母国語並みに話せるようになる可能性が高いと言われています。
赤ちゃんはリスニングの天才?
臨界期の、とくに乳児期の赤ちゃんは熱心に外部からの情報を習得します。その情報を脳の中で省いたり選んだりすることはありません。
その証拠に、赤ちゃんは英語の発音も日本語の発音も聞き取れるという実験結果が出ています。
ワシントン大学の学習脳科学研究所所長、パトリシア・クール氏は生後6ヶ月の赤ちゃんに対して、言葉の音の切り替わりに反応できるかという実験を行いました。それにより分かったのは、赤ちゃんは英語以外の言語でも、言葉の音の切り替わりに反応することが出来たということです。
赤ちゃんのこのような能力は、1才になる前まで続くと言われています。つまりそれまでにお母さんを始めとする大人たちの言葉を聞いて、会話に必要な音と不必要な音を区別しているのです。
ただ音を聞かせれば良い訳ではない
生後の1年間は複数の言語の情報をスポンジのように吸収し、7才までならいくつかの言語を母国語並みに話せるようになる可能性があると紹介しました。
ただし、赤ちゃんの言語学習能力を最大限に引き出すには、ある条件があります。それは、情報源が「コミュニケーション」であることです。
さきほど紹介した大学の研究機関では、2人の赤ちゃんにそれぞれ「ビデオによる第二言語の学習」と、「マンツーマンによる第二言語の学習」をする実験を行いました。すると、「マンツーマンによる第二言語の学習」をした赤ちゃんにのみ第二言語の学習効果が現れたのです。
このことからも、言語の学習には生身の人間が必要であることが分かります。
英語学習もコミュニケーションが大事!
ただ教材を勉強するだけで英語力を高めることは難しいのです。ここで重要になるのは、ネイティブな発音ができる先生が子供たちと接して、勉強を継続することでしょう。
もちろん年齢を重ねてからでも決して遅くはありません。しかし、子どもたちが効率よく英語を身に付けるためにも、臨界期までにコミュニケーション型の英語学習を始めることをおすすめします。