海外で通用しない? 日本の学校が行う英語教育の問題点とは
グローバル化の進む近年の日本では、早期の英語習得の必要性が説かれるようになり、小学校での英語教育に違和感を覚える方も少なくなってきています。
しかし、現在小学校で行われている英語教育で十分なのでしょうか?
今回は学校での英語教育の問題点についてご説明していきます。
Ⅰ.文法を中心に教えるスタイル
日本の教育現場における英語教育は、やはり文法中心のものが多く、お勉強感覚から抜け出しづらいです。
しかし、子供にとって「お勉強だから」という理由で英語を覚えていくことは、かなり退屈な時間になると考えられるでしょう。その結果、英語に関する苦手意識が生まれ、積極的に英語に触れようとするモチベーションが生まれなくなります。
キッチリとした文法を教えてテストで理解度を判断する、という学習方法が英語の習得率を上げるとは限らないのです。
Ⅱ.減点方式のテストで評価する
接続詞や助詞の選び方、「三単現のs」など、初級の英語を学ぶ上でも引っかかりやすいポイントというのは多々あります。こういった引っかかりが減点されていくことで、子供のモチベーションは下がる一方です。
減点方式のテストによる学習を重ねた子供たちが、ネイティブの英語と触れ合ったとします。すると「文法がおかしいのではないか」という心配にとらわれ、スマートにコミュニケーションを取れなくなってしまう危険性があります。
Ⅲ.英語習得の時間が足りない
英語をある程度自在に操れるようになるまでには、概算で2000時間ほどが必要といわれています。しかし現在日本での英語教育は高校卒業までで考えても1000時間以下となっています。
これは英語を習得するにはとても半端で、学校での英語教育だけで多くの人が英語を習得できるとは言い難いのが現状です。学校の授業だけで英語を学んでいる子どもと、授業外でも何かしら英語と触れ合う機会がある子どもとでは英語の理解に大きな差が生まれます。
Ⅳ.英語に対する先生の理解度の低さ
英語というのは本来、コミュニケーションのためのツールです。
しかし海外の文化や情報に疎い先生もまだまだ多く、英語圏と日本の違いを充分に教えられていないのが現状といえます。
また「ディス・イズ」などと、英語をまるでカタカナのように発音する不自然な英語を教えている先生も。結果、学校英語をいくら学んでも海外で全く通用しないという状況に陥ってしまいます。
本来ならば、英語を「海外でのコミュニケーションツール」として適切に使える人が英語教育をする、というのが理想的といえます。
早い段階から英語を教えればいいということだけではなく、世界で通用する英語力をつけることが求められています。しかし、日本全体が抱える英語教育の問題点は、早期解決が見込めないのもまた事実です。子どもの英語力向上のためには、授業外での教育も検討してみてはいかがでしょうか。