「高精度の翻訳機」があれば英語学習は不要になる?
近年、機械翻訳の性能が上がったり、翻訳アプリが登場したりなどリアルタイム翻訳機の進化には著しいものがあります。
数十年後、現代とは桁違いの高精度のリアルタイム翻訳が可能となった時、果たして英語力は必要となるでしょうか。
今回は、高精度の翻訳機の出現によって英語学習が不要のものになるか否かを考えてみましょう。
翻訳機を経由することで時間が倍かかる
リアルタイム翻訳機が登場すれば、瞬時にその場で翻訳してくれるため会話にも困ることがなさそうに感じるでしょう。
しかし、相手や自分の発言を常に翻訳機を通すことで時間のロスが生まれます。二人だけの会話なら話すタイミングを図れても、三人・四人となったら発言するタイミングを見極めるのが難しくなるでしょう。
それにより、翻訳機を経由させることで会話のテンポが生まれにくくなってしまいますし、翻訳のために膨大な時間が必要となり会話の質を落とす恐れがあります。
また、翻訳機が言葉をきちんと認識できなかったり、間違って認識してしまった際には言葉を言い直さなくてはなりません。
それにより楽しいはずの会話が苦痛になることすら起こり得ます。
翻訳機の精度を確認できるのは人間
いくら高精度のリアルタイム翻訳機が登場したとしても、100%間違いが起こり得ないという保証はありません。翻訳された言葉が正しいのかを判断できるのは、発言した人間だけです。
友人との会話だったら、もし変な翻訳をされてもきちんと謝れば済む場合がほとんどかもしれませんが、ビジネスの場合はそれでは済みません。
ひとつの間違いが大切な取引を破談にする恐れもありますし、その間違いに気づけないと会社に多大なる損害を与える恐れだってあります。
自分の伝えたいことが自分の意図する内容で伝えられているのか、それをチェックする英語力が求められるのです。
高精度のリアルタイム翻訳機が登場したら英語の流通量が増える!?
現在さまざまな言語が存在していますが、国際会議などで使われているのは英語です。現在使用者が一番多いのは中国語ですが、歴史的な背景や言語の特性から見ても英語が国際共通語であり続けると考えられています。
そのため高精度の翻訳機が出現する際には、日本語を英語に、中国語を英語に、フランス語を英語にというように多くの言語が英語に翻訳されるようになるでしょう。
その結果、英語の流通量が今以上に増えて、必須の言語となる可能性だってあるのです。
翻訳機があることで信頼関係を築きにくくなる恐れも
仕事であれば、多少の手間でも翻訳機や通訳を使った会話も行うでしょう。
しかし、プライベートで会話のたびに通訳機が必要になったり、通訳機を通さないと会話が成立しないと面倒に感じる方もいるものです。それでは友人を作ることもままならなくなるでしょう。
さらに、単調に言語を伝えるだけの翻訳機では気持ちが伝わりにくく、本音で話せない関係しか作れない恐れがあるといえます。
自分の伝えたいことを意図したように伝えるには、高精度の翻訳機であっても100%頼ることは危険です。
高精度の翻訳機の登場をただ待つのではなく、翻訳機の言いなりにならないための英語力を子供の頃から身につけることが、これからの社会で生きていくうえで大切だといえるでしょう。